熊本県人吉市が有害鳥獣対策用アプリをPlatioで作成・運用
猟師のスマホで捕獲状況を即座に共有!手書きの報告書も不要に

ノーコードによる運用で年間3,000件の報告、月50時間の工数削減を実現

報道発表資料

2025年11月14日
アステリア株式会社

アステリア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:平野洋一郎、証券コード:3853、以下 アステリア)は、熊本県人吉市(市長:松岡隼人、以下 人吉市)が「Platio(プラティオ)」で作成した有害鳥獣の捕獲報告アプリの活用で、捕獲報告手続きのDXを実現したことを発表します。Platioおよび本アプリは2026年度より、本格運用が開始される予定です。

人吉市が「Platio」を導入した背景

人吉市は、自然と歴史に恵まれた城下町です。2020年の豪雨災害からの復興事業、観光振興への取り組みと並行して、行政業務のDX推進にも積極的に取り組んでいます。

豊かな自然を生かした農林業が盛んな一方で、山林に生息するイノシシやシカなどの有害鳥獣による食害が多発していることから、人吉市では猟師と連携し年間3,000件超の捕獲作業が行われています。最近では捕獲件数の大幅な増加に伴い、人吉市役所に毎月提出する捕獲報告書類の作成が猟師にとって大きな負担となっていました。

<有害鳥獣捕獲報告の内容(市に提出する書類等)>

・捕獲日時や場所など10項目以上を専用の用紙に記入
・捕獲した有害鳥獣の個体を撮影した写真
・駆除の証明として尻尾などの証拠部位を添付

写真:猟師がアプリで捕獲報告をする様子
猟師がアプリで捕獲報告をする様子

上記に加えて、人吉市の職員においても、猟師が記入した情報などを転記する必要があり、相互の事務処理に多大な時間と労力を要していました。

そこで人吉市は、これらの課題を解決するDXに向けた実証実験に着手。複数社のアプリやソフトウェアを検討した結果、山間部などで電波の届かない通信圏外でもアプリが利用可能であること、人吉市独自の捕獲報告の仕様に柔軟にカスタマイズできること、さらに導入時のサポート体制が充実していることなどからノーコードモバイルアプリ作成ツール「Platio」を採用し「鳥獣捕獲報告アプリ」を作成しました。

Platio」を導入した効果

人吉市では、この実証実験の一貫として「鳥獣捕獲報告アプリ」を作成し、職員5名と猟師81名で使用しています。参加者の平均年齢が60代と大半がスマートフォンへの馴染みがないメンバーでしたが、不慣れな猟師に対しては事前に研修を実施しスムーズな導入を実現しました。

アプリ導入後は、これまで必要だった紙の報告書や写真の現像が不要となり、スマホからその場で写真や位置情報の共有・報告が瞬時に完結。人吉市の職員が行っていた転記作業など、関連業務にかかる工数を毎月約50時間削減するなどの効率化を実現しています。さらに、報告内容をリアルタイムで取得できるようになったことで、捕獲傾向の把握や迅速な対策立案など、データに基づく効果的な行政施策の企画・検討が可能になりました。

写真:職員が紙の報告書を確認する様子
職員が紙の報告書を確認する様子(アプリ導入前)

2026年4月の本格導入以降は、駆除個体の証明部位提出も不要とし、報告作業の全てをスマホ上で完結する予定です。人吉市では今後もPlatioと他システムを連携し、国や県などへの申請・報告の自動化や、蓄積されたデータを活用した鳥獣の生息地域の予測や効果的な対策を実施。これらの成果を他自治体にも展開することで、地域全体の課題解決への貢献を目指しています。

ユーザーコメント

アプリのカスタマイズ性を最大限に活かし、現場の捕獲者の意見を取り入れながら、誰にとっても使いやすいアプリを目指しました。その結果、実際に多くの捕獲者から高い評価をいただいています。本取り組みは、人吉市だけの課題解決にとどまらず、全国の自治体が抱える共通課題への解決策として活用できると考えています。私たちの経験が他の自治体にとっても役立つ事例となれば幸いです。

今後は、Platioと他システムとの連携により、国や県、関連機関に提出する申請・報告書の作成を自動化したいと考えています。また、獣害対策にとどまらず他の行政業務にもPlatioを展開し、職員の業務効率化と地域の持続可能性向上を目指していきます。

人吉市役所 経済部農林整備課 課長:高田 尚志 氏

<「鳥獣捕獲報告アプリ」画面イメージ>

■猟師画面:捕獲報告の入力
有害鳥獣の捕獲情報(写真・捕獲位置・捕獲日時等) の記録・申請
〜登録すると即座に市職員と共有〜
■市職員画面:報告受理・確認
捕獲に関する申請データの確認・受理処理の記録
蓄積データの集計・分析、報告書作成への活用
猟師画面:捕獲報告の入力市職員画面:報告受理・確認

<事例掲載 URL:Platio> https://plat.io/ja/case/hitoyoshi 

※本事例は現在実証実験中であり、本格運用は2026年4月に開始予定です。


「人吉市」について( Webサイト https://www.city.hitoyoshi.lg.jp/

人吉市は熊本県南部に位置する自然と歴史豊かな城下町で、「九州の小京都」と称されます。球磨川の川下りや青井阿蘇神社など観光資源が豊富で、米焼酎の名産地としても知られます。近年は豪雨災害からの復興と併せて、行政や観光分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進し、地域の再生と持続可能なまちづくりに取り組んでいます。

「アステリア株式会社」について( Webサイト https://jp.asteria.com/

アステリアは社会や企業を「つなぐ」エキスパートとして「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ヒト、モノ、オモイを「つなぐ」製品やサービスを提供するソフトウェア開発企業です。基幹製品のASTERIA Warpは、様々なシステムやクラウドのデータをノーコードで連携できる製品として、1万社を超える企業に導入されています。また、デジタルコンテンツプラットフォームHandbook Xは、資料や動画、Webサイトなどあらゆる情報をアプリにまとめて管理できるクラウドサービス。モバイルアプリ作成ツールPlatioは誰でも簡単に自社の業務に合ったモバイルアプリをノーコードで作成・活用できるクラウドサービス。AI/IoTプラットフォームGravioはノーコードで様々な場所にある多様なデータを集約、活用し情報の一元管理を可能とするノードコンピューティング基盤。これらの製品提供を通じて、DXや業務の効率化を推進しています。また、(一社)ブロックチェーン推進協会、(一社)ノーコード推進協会などの設立に参画するなど、様々なイノベーションを推進し新しいテクノロジーや価値観を普及啓発する活動にも取り組んでいます。

「Platio」について( Webサイト https://plat.io

Platio(プラティオ) は現場に特化した業務用モバイルアプリをノーコードで作成・運用できるクラウドサービスです。100種以上の豊富なテンプレートを備えており、プログラミング未経験の現場担当者でもわずかな期間で自社の業務に適したアプリを構築できます。これにより、紙やExcelに依存したアナログ業務をスピーディーかつ低コストでアプリ化し、現場主導のDX推進を実現します。さらに、アプリ作成からデータ連携までをノーコードで実現できる「Platio Connect」、作成したアプリを販売可能な「Platio One」、エンタープライズ向けに特化したノーコードアプリ開発プラットフォーム「Platio Canvas」など、製品ラインアップも拡充。現場業務の効率化からデータ活用、そして新たなビジネス機会の創出まで、Platioは多様な業種の企業・団体で採用され、現場のDXに貢献しています。


【プレスリリースに関するお問い合わせ先(報道機関窓口)】

アステリア株式会社 広報・IR部:齋藤ひとみ・小出朱莉
TEL: 03-5718-1297 / E-mail: press@asteria.com

【製品に関するお問い合わせ先】

アステリア株式会社 マーケティング本部
TEL: 03-5718-1250 /E-mail: platio-pm@asteria.com

アステリア、ASTERIA、Handbook、Platio、Gravioはアステリア株式会社の登録商標です。
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